--
--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2016
02.10

[2/10] 息抜き小話

Category: 小話
 思いつきで書き殴ってみた駄文です。
 キリアとE氏がワールドアカデミーでクラスメイト(高校生くらい)な学園パラレルだと思って下さいー
 (いきなり無理やりな設定)
 

---

 四方を壁に囲まれた、小さな中庭。
 夕暮れ時で、あたりは少しずつ、少しずつ、闇に包まれ始めていた。しかし『ここ』が、完全に暗闇に呑みこまれることは無いと、キリアは知っていた。
 キリアは赤紫色の長袖・長ズボンの、上下ジャージ姿。白いスニーカーの靴底が芝生の地面を蹴る。軽やか、とはお世辞にも言えない、ぎこちないステップ。こういうの、キリアは全く得意ではない。
(ううう。気が重いなあ。どうして毎年『体育祭』なんてあるんだろ。競技だって得意じゃないのに、最後のトリでやるコレ……あーやだやだコレだけでも急な雨で中止にならないかなあ)
 中庭の四方にそびえ立つ灰色の壁は相当に古い。近付いて良く見てみると細かなひびが入っていたりする。壁の高さは建物の三階分くらいだろうか。長方形にくり貫かれた窓が、それぞれの階層にいくつも、壁と同じく中庭をぐるりと取り囲むように並んでいる。
 そして、その壁全体が、どういう仕組みなのか、薄青くぼーっと発光しているのだった。キリアの居る中庭が、その薄青い光に照らし出されている。夕暮れ時から夜にかけての幻想的な光景は、キリアのお気に入りだった。
(ま、私の奇妙な動きがこのファンタジックな光景を台無しにしてるんだけどね)
 自覚はあったので、キリアは動きを止めて、ふう、と息をついた。でも、せっかくだから、少しでもテンション上げて気分良くやりたいじゃない。誰に見られているわけでも無いし。
「ゴキゲンだなあキリア」
「ぎゃー」
 全く無防備だったところに突然声をかけられて、キリアは反射的に叫んでしまった。
 おそるおそる、声が聞こえてきたほうを振り返る。薄青い光に包まれた壁の、長方形の窓のひとつから、ヤツが顔を覗かせていた。目が合うと、ヤツはにこにこしながら、ひらひらとキリアに手を振ってきた。
(一番見られたくないヤツに見られたー)
「な、何しに来たのよ、こんなところに」
 なるべく平静を装いながら、キリアは彼に話しかけた。
「っていうか、よく『ここ』のことを知ってたわね。私しか知らない秘密の場所だったのに」
「それはこっちの台詞なんだよな。正直びっくりした。……よっと」
 彼はひょいっと窓枠を飛び越えて、中庭の地面にストンと着地した。彼の特徴的な、赤い長い髪が揺れる。
「んで、キリア。こんなところで一体何やってんだ?」
「ぐっ」
 キリアは言葉に詰まった。というか、
「……気付いてるくせにー」
「?」
「アンタと同じじゃないの? 目的は。アンタは何しに来たのよ」
「! ああー」
 彼はぽん、と手を打った。
「そう、ここって、夜でも薄明るいし、穴場っつうか、秘密の練習するにはちょうど良い場所なんだよな」
「そういうこと。……秘密の練習って知っててズカズカ近付いてくるのはどうかと思うけど」
「ははっ、確かにそうだよな。悪ぃ悪ぃ」
「今からでも遅くないわよー。気を利かせて立ち去ってくれても良いのよー。あっ、もっちろん相方とか募集してないからね」
「んー。まあ、先着順だよな。わかったわかった。俺は場所を変えるよ」
 ホッ、とキリアは安堵した。
「ありがとうエンリッジ! 意外と物わかりが良いのね。あ、私がここでコソコソしてたことは絶っ対に誰にも言わないでね!」
「了解」
 にっこりとうなずいて、じゃあ、とエンリッジは助走をつけてジャンプした。次の瞬間、彼の長身は窓枠を飛び越えて、向こう側の建物の中に着地していた。
「本番の体育祭は、えっと、四日後だったか」
「三日後じゃなかったっけ。あんまり時間がないのよね」
「俺もそろそろ真面目に練習しとかんとなあ。ぶっつけ本番で転けたりしたらちょっと恥ずかしいからな」
「あ、それ良いわね。アンタは是非それでお願いします」
「いや、そういうわけにもいかねーだろ。一応、真剣勝負の競技なんだし」
「? 真剣勝負の?」
「ああ。クラスの優勝のために! そして優勝賞品のために!」
「?」
「お互い頑張ろうぜ。『クラス対抗反復横跳び競争』の練習!」
 じゃあ、と片手を上げて、走り去って行くエンリッジの背中を、キリアはぽかーんと見つめながら、
(……そんな種目、体育祭の競技にあったっけ……?)
 と、首をひねってみるのだった。

---

 ランダムに生成された「お題」から連想して「シーン」を文章に書き起こす練習です。過去にも色々やってたやつ。
 その「お題」について、ここに書き残しておく必要ってあるのかな? 今までは(自分用の覚え書きとして)書いておきましたが、今回は私の心の中にだけ留めておくことにします。書いたところで誰が得するわけでも無いですし…。ご想像にお任せということで。

 現在、「悪ノリ兄さんズ」の小話のラスト付近を書いているところなのですが、こちらも「ランダムお題」からの思いつきから書き始めました。これについても、普通に小話として成立していれば、元のお題が何だったか、示しておく必要はないですよね。
 長らく放置だった兄さんズ話、いい加減、早く書き上げちゃってスッキリしたいです。頑張ります(笑)
関連記事
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。